「難治性痤瘡に対する痤瘡心療」の講演を聴いて

投稿日:2013年6月19日|カテゴリ:コラム

先日開催された日本皮膚科学会総会の教育講演 小林先生の「難治性痤瘡に対する痤瘡心療」を

聴いて参りました。

にきびの患者さんが 無意識のうちににきびをかいてしまっている(またはいじっている)ことがあり、

にきびの悪化や再発に関係している場合があるということでした。

角層をすこしひっかくだけで毛穴の所に炎症が起こってくるそうです。

 

これを防ぐには

・患者さんににきびを搔いたり、いじっているということを自覚してもらう

・ストレスにより掻破行動が助長されるので、ストレスを解決する能力を身につけるようにする

(あるいはそのように指導する) ことが必要で、まずは患者さんが搔破行動をしているサインの

見つけ方の具体的なお話がありまして とても参考になりました。

日々の診療でもこのようなところを見落とさないように 気をつけていきたいと思っております。

 

またストレスを解決するためには次のような、ストレスを増幅し、解決を困難にする 考え方に

陥らないようにすることが大切ということで、 ストレスを増幅し解決を困難にする考え方に

ついての説明がありました。 それは次のような事だそうです。

・完璧主義

・競合的(他人と優劣を競う)

・二元的(白・黒のみで物事を考える)

・部分にこだわる(例えば全体的には良くなっているのにまだこの1部分が 治ってないとこだわってしまう)

・多角的思考ができない(いろんな方向から物事を考えることができず  ひとつのことに固執する)

・優先順位がつけれない(仕事が2つ3つ来るとすぐテンパってしまう等)

・現在でなく、過去や未来のことにこだわる

・他者の評価を過度に気にする

 

患者さんとの対話の中でこういう傾向を読み取り、気持ちをほぐし、 このような考えに陥らせないように

導くとざ瘡の増悪や再発を防ぎ、症状を改善することにも繋がるというお話でした。

このようなアプローチで再発を繰り返してなかなか なおらなかったにきび患者さんの症状が改善した例も

報告されていまして、 目を見張ってしまいました。

心理面のサポートはやはり大切だなと思いました。 実践するのは簡単なことではありませんが

少しでもできるようになりたいです。 とても勉強になるお話でした。

 

習慣的に患部をかいてしまって症状がなおりにくかったり、悪化するのはにきびに限らず アトピー性皮膚炎を

はじめとしてかゆみを伴うあらゆる皮膚疾患に共通する事項と 思われます。

上記のストレスを増幅してしまう考え方に「自分もあてはまるなあ」と思いあたることが ありましたら、

(なかなか難しいかもしれませんが)このような考えに凝り固まらない ように

気をつけてみていただければと思います。